「会社のFacebook(フェイスブック)を始めました!」といったときに、よく見かけるのが、社長のお昼ごはんやゴルフ写真のようなものばかりの投稿。もちろん、社長の個人アカウントで何を投稿するかは(社長として適切なものであれば)本人の自由ですが、会社として運営するFacebookページとなると話は変わります。
会社や商品ブランドの顔となって、多くの人の目に触れるものなので、どんな企業であれ、「マーケティング」や「広報(パブリック・リレーション)」の考え方での運営が求められます。
広報と言えば、プレスリリース、を思い浮かべるかもしれませんが、リリースを投稿するだけというのもどうでしょうか… 商品の宣伝ばかりでも嫌われてしまいます。
他の企業はどのように運営しているのでしょうか?Facebookページをうまく活用している企業の投稿例を見ていきましょう。
1.季節商品・限定商品を紹介する
季節ごとに定期的に新商品が登場する場合は、その告知だけでも十分話題になりやすいコンテンツになります。商品戦略とも関連するので、どの企業でも取り組める訳ではありませんが、新商品の紹介は、SNSでの話題作りに向いています。
ハーゲンダッツの例
バニラなどの定番に加え、季節に合わせて毎年新しい限定商品を投入しています。商品そのものやパッケージも印象的ですが、更にイメージが膨らむようなビジュアルコンテンツとして投稿しています。
サントリーの例
広告とはひと味違うSNS映えのする写真で、さりげなく限定新商品の魅力を伝えています。ゆずの香りが漂ってきますね。
2.商品の楽しみ方を提案する
商品やサービスそのものを宣伝するのではなく、それを使った楽しみ方を提案しています。実際の体験イメージを伝えることで、共感を得られやすい投稿になります。
セブンイレブンの例
包装パッケージに入ったままでは、こんな楽しみ方は伝わりません。
オイシックスの例
外見だけでは普通の野菜にしか見えませんが、みかんのようにむいて見せることで、フルーツ感を伝えています。投稿文1行目のコピーの魅せ方も上手いですね。
日本航空(JAL)の例
サービス企業の場合、商品をビジュアルで伝えるのにひと工夫必要です。JALの場合、社員が登場してオススメスポットを紹介するような、旅行の楽しみを伝える投稿をしています。
星野リゾートの例
「星のや」など高級旅館・リゾートホテルを運営するサービス企業ですが、投稿だけ見ると、どこにもホテルが登場していません。ホテル周辺スポットの魅力を伝えることで、旅行願望をくすぐるとともに、シェアされやすいコンテンツにしています。
3.遊び心で商品の特徴を魅せる
商品の持つ特徴を、ユニークな写真などで表現しています。コンテンツそのものが面白いので、多少、つくる手間はかかりますが、いいね!やシェアされやすいでしょう。
ほぼ日手帳/ほぼ日刊イトイ新聞の例
さすが「ほぼ日」です。
普通の人は、手帳の白いラインを見ても、道路の白線は思い浮かばないでしょう(^^)
土屋鞄製造所の例
Facebook活用の代表的な企業として知られる土屋鞄製造所。
革製品の経年変化の味わいと、長く使える商品であることを、写真の構図と構成要素でさりげなくかつ印象的にに伝えています。
4.キャンペーンやセール情報を知らせる
企業のFacebook利用としては、たまには宣伝したくなるもの。普段から宣伝ばかりだと、次第に見られなくなってしまいますが、ファンにとっては、セールやキャンペーンのお知らせも貴重な情報です。
頻度に注意しつつ、ここぞというタイミングで投稿してみましょう。
セブンイレブンの例
店頭ではよく見かけますが、お店に行かないと気づかないので、セール情報をタイムリーにSNSにアップしてもらえるのは嬉しいですね。お店の側からすると、集客効果が高いと思われます。
無印良品の例
期間限定のキャンペーンは、ファンにとっては見逃せません。FacebookのようなSNSで拡散されることで、ファン以外の人にも知ってもらえるチャンスが広がります。
5.顧客企業の役に立つ情報を伝える
Facebookでは、一般消費者向けの商品を扱う企業の活動が目立ちます。Facebookが一般消費者が利用するコミュニケーションの場であることを考えれば、当然のことです。
実は、企業向けの製品を提供する所謂BtoB企業もしっかりと活用しています。Facebookをビジネスの情報源として活用するビジネスパーソンも増えてきていますので、その人達に向けたコンテンツを発信していけば、自社の認知度を高められます。
NEC(日本電気)の例
ユーザ企業向けのイベント告知です。メールに加え、各種SNSで配信することは、知ってもらう機会を増やします。
freee(フリー)の例
クラウド会計ソフトのベンチャー企業freee。動画に力を入れているFacebookの特性を活かし、ユーザ事例を集めた短い動画を作成し配信しています。
いいね!やコメントが多くつく企業の投稿は、独りよがりではなく、自社のファンの視点に立つことを心がけています。投稿例は大手企業・有名企業のものが中心でしたが、個人や中小企業の場合でも基本的な考え方は同じです。他の企業の投稿内容や投稿の仕方を色々と見て、参考にしてみてください。