ウェブサイト(Webサイト)が登場して20年以上が経ちました。
多くの個人、企業・団体、商品、サービスなどがウェブサイト(日本では、ホームページと言ったほうが通じやすいかもしれません)を開設し、チラシや名刺にも大抵URLが記載されるようになってきました。
一方で、放置されたままのサイトを見かけることも多いですね。
今更「ウェブサイトの目的」というと「そんなの分かってるよ」「もう作ってるよ」と言われるかもしれません。
ただ、ウェブサイトの新規制作やリニューアルの相談を受けることも多いので、改めてその目的について考えてみたいと思います。
どのようなサイトが放置されるのか
ウェブサイトを作ろうと考えるきっかけは様々ですが、企業の場合、
- 今までサイトが無かったので、そろそろ作りたい
- 新しい会社(商品・サービス)を始めるので、そのサイトが必要
- 採用、IRのページを作りたい
- Eコマースを始めたい
- 社内情報共有のサイトを作りたい
などが挙げられます。
後半の3つは、ある程度目的が明確ですが、前半の2つは、何となく必要そうだから…という理由で、作り始めてしまうことも多いと思います。
そうやって作ったサイトは、オープン当初を除けば、訪問者も少なく、情報も更新されず、放置されてしまいがちです。
更新を続けていても、ルーチンワークで新着情報を更新している程度で、ほとんど見られてないサイトも多いでしょう。
ウェブサイトを否定してしまう理由
サイトの放置は最悪の活用法ですが、そこまで行かなくても、ウェブサイトをうまく活用できていないという悩みを持たれている方は多いと思われます。
次第に、「ウェブは使えない(効果がない)」「インターネットは効率が悪い」「流行に乗るべきではなかった」などと結論づけて、活用を止めてしまったり、予算を削減したり、というのもよく聞く話です。
試行錯誤の上、戦略的に「使わない」と決めたのであれば問題ないと思いますが、単にウェブサイトを活用できていないから、という理由で、インターネット/Webを否定してしまうのは、非常に残念ですし、リスクのある決断だと考えています。
とはいえ、企業としては、投資対効果を得られないものに、コストをかけ続けることはできないのは当然です。
多くの企業が、最初は期待感を持ってウェブサイトを開設したにも関わらず、「使えない」と判断して止めてしまう。
ただ「世の中にこれほどインターネットが普及しつつあるのに、それを活用しなくて本当にいいのだろうか」と心の中では不安感を抱きながら…
ウェブサイトは変わった?
「ウェブサイトは効果がない」「放置サイト」となる背景には、「目的がはっきりしていない」ということに加え、「ウェブの分かりにくさ」があると考えています。
特徴を理解しないまま、流れに乗ってウェブサイトを作ったりすると、その利点を活かすことができず、「効果がない」という話になってしまいます。
「会社案内の代わり」「会社/商品の宣伝、認知度向上」など目的は様々ですが、今まで利用していた紙媒体などと異なり、ある程度技術的な面も理解していないと、うまく活用できないと思います。
似たような話として、昨年までは、Facebookの普及に伴い、「企業Facebookページを開設したい」「Facebookがあればウェブサイトは要らない」というような話が多くありました。
流れに乗ってFacebookページを運営していた企業の中には、もうすでに「効果がない」と判断して運用を止めてしまった所もあるでしょう。
技術的な「分かりにくさ」に加え、その変化のスピードも、問題となります。
実は、新技術・サービスの登場などにより、数年前と比べて「ウェブ」「インターネット」の意味合い自体が変化してきています。
それを理解しないまま、「ウェブサイトを作る」と言ってしまうと、仮に活用目的がはっきりしていても、うまく使えない、という事が起きます。
変化の主な要因は、
- Facebook、TwitterなどのSNSの普及によるユーザ発信型コンテンツの増加
- スマホの普及(モバイル化)によるインターネット/Web利用者の増加
- クラウドサービスの登場による利用環境の開放
- 技術革新やネットワークインフラの向上によるサービス運営コストの低価格化
- データ収集、解析技術向上によるビッグデータの活用
などなどです。
技術面の話は少し難しいかもしれませんが、簡単に言うと、インターネット/Webの世界は、サービス提供側、利用者側ともに多様化し、「ウェブサイトを開設」すればOKという時代ではない、ということです。
改めてウェブの活用目的を考える
そんなに混沌としているのであれば、落ち着くまで静観しよう、という考え方もあると思います。
ただ、混沌としながらも、私たちの身の周りの環境は、旧来のものから新しい方向へ大きく変化してきています。スマホの普及がよい例です。
このような中、企業が、世の中が落ち着くまで待っていたら、変化に取り残されて自滅してしまうかもしれません。
一方で、変化を先取りして取り組んだ企業は、大きく成長する事例も出てきています。
では、どう活用すればよいのか?という事ですが、まずは、
- 「ウェブ」「インターネット」の世界を理解する事、
- 「ウェブ」を、企業活動の目標を達成するための一手段として捉える事、
が大事です。
これらについては、また次回以降の記事で採り上げて行きたいと思います。